【西安滞在記Vol.5】藤岡飛雄馬vsヨウグ・ユウ

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松澤選手の試合が終わり、自身の試合に向け集中を高める藤岡。
「俺にはパンチは当たらない」
「俺が打って、あいつが打ち返してきても俺はそこにはいない」
と体をリズミカルに動かしながら呟く藤岡。

虚勢ではなく、確固たる自信があって発してるのが分かった。

口では緊張してきたと言うが常に微笑み、数分後に控える試合を心待ちにしてる様子が伺えた。


グロービング、そしてWBCのチェック。
タイトルマッチ。

Tシャツ、ガウン、ソンブレロ。

藤岡飛雄馬の戦闘準備が完了。

次にここに帰ってくる時は彼がチャンピオン。

笑顔のピンクパンサーがリングイン。

1R ユウが前身し、藤岡に詰め寄る。

試合前の宣言通りユウのパンチは空を切り藤岡がジャブ、ストレートとユウに当てる。

主導権は握った。

藤岡のカウンターが炸裂し後退するユウ。

これを契機に藤岡がギアを上げ、ユウが後退。

ボディで体を丸め、ストレートで顎をはね上げるユウ。

KO勝利も見えてきた。

しかし好事魔多し。

完全にリズムに乗ってきた6R。

ユウの右が藤岡に直撃。

完全にきかされてたたらを踏む藤岡。

ここぞとばかりにユウの猛攻。

ロープ際で必死に耐える藤岡。

それ以上の追撃は貰わず耐えきる。

逆にユウの息が上がり、再度攻守逆転。

その後も藤岡がリズミカルに自分のボクシングを展開。

8Rユウのボディブローが直撃。

「あともう1発食らったら倒れてた」

試合後そう語ったピンチも乗り切り9Rも何度も何度もカウンターを突き刺した藤岡。

10R。

倒れなければ藤岡の腰にベルトが巻かれる。

藤岡は最後まで攻撃の手を緩めずユウを猛追。

試合終了と鐘が鳴りユウと笑顔で抱擁。

自軍に帰ってきてコーナーポストに駆け登り咆哮をあげる藤岡。

リングアナがマイクを持つ。

中国語で採点は聞き取れず。

少しの間をあけて呼ばれた名前はヨウグ・ユウ。

苦笑いしながら宮田会長、鈴木トレーナーと一言二言言葉を交わす藤岡。

何が起こっているのか正直理解が出来なかった。

ユウの腰にベルトが巻かれているのを見て

あぁ負けたのかと。

リング四方に向かって謝謝と叫び頭を下げる藤岡に中国応援団からもフジオカ!!と称える声が飛んだ。

控室に帰り笑顔で悔しいと何度も語る藤岡。

ユウが藤岡に駆け寄り健闘を称え合う。

「めちゃくちゃ欲しかったー」

とユウの腰に巻かれているベルトを触りおどける。

「倒せなかった俺が悪い。」

そう語った藤岡の目は輝いており、次の目標に向けて進んでるように見えた。

Vol.6に続きます。

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