御意見番Nobuコラム Vol.9 思い出のタイトルマッチ

50年程前に、藤猛というボクサーがいました。ハワイ出身の日系3世。やたらにパンチ力のある、いやパンチ力しかないボクサーと記憶しています。そんな彼が世界挑戦した。階級は、サイト管理者が注目している、スーパーライト級、当時はジュニアウェルター級といっていた。そして彼は見事ノックアウトでイタリアのサンドロ・ロポポロからタイトルを奪った。今回の思い出のタイトルマッチは、その試合ではなく、彼の2度目の防衛戦。相手は、アルゼンチンのアンタッチャブル、ニコリノ・ローチェ。見てくれは短躯な風貌。さらに半分ハゲていた。とても藤猛が負けるイメージはなかったと記憶している。ところが、試合が始まったらローチェの左リードで藤のパンチは全く届く気配がない。ラウンドを重ねること9か10。その間、藤はローチェの非力なパンチを浴び続け、とうとうギブアップしてしまつた。ボクシングの試合で、こんな試合終了は初めて見た。自分は、ボクシングなどの格闘技の経験はないが、この試合を見ていたので、デュランのレナード戦での有名な「ノーマス」のひと言でのギブアップもさほど驚かなかった。その後ローチェは以外なほど長くチャンピオンでいたと記憶している。彼は、パナマの選手に王座を追われ、スーパーライトでオールタイムランキングを作るとしたら、ナンバー1候補のアントニオ・セルバンテスやアーロン・プライアーへと受け継がれていく。伝統のライト級とかウェルター級が注目される中、その間にある、スーパーライト級は、こんな面白い歴史があることを知っていただきたい。  

0コメント

  • 1000 / 1000